第4章 Be with you
「智くん疲れてる?」
急に聞かれてビックリした。
「なんで?」
「ちょっとボーッとしてる」
「いつもだろ?」
「仕事中はそうでも飲みに来た時はそんなことないよ」
「なんだそれ?
俺仕事の手ぇ抜いてるみたいじゃん?」
「そんなことないけど
無理させちゃってるのかなと思って…」
翔くんが寂しそうな顔をした。
そんな顔をさせてしまったことを後悔した。
「ごめん!ちょっと考え事してた…
もう大丈夫だから!飲もっ!」
「無理しなくていいよ?
今日はもう帰ろうか?」
「やだっ!帰らない!いいから飲もう!」
「わかった…」
そうだよ、折角翔くんと飲みに来てんだから楽しも!
このモヤモヤの原因はわからないけど楽しく飲まなきゃ勿体ない。
その後はいつものように楽しく飲んだ。
翔くんも笑ってくれたしよかった。
トントン!
ドアがノックされ増田が顔を覗かせた。
「すみません、俺もう帰るんでお先です」
「おぅ、お疲れ!またな~」
「気をつけて帰れよ~」
そう言って手を振ってやったら
「大野くん、すみませんでした!」
「なんで?」
「いや、お邪魔しちゃったんで…」
「あいさつに来ただけだろ?」
「怒らせちゃったかなぁと思って…」
「えっ?俺そんな機嫌悪そうだった?」
「はぁ、まぁ…」
「ごめん、気にすんな」
「ならいいんですけど
じゃあ、失礼します!」
増田が帰って行った。