第1章 Two
「止めろよ」
「いいじゃん、減るもんじゃないし」
嫌がる翔くんを余所に、何度も首から肩にかけてのラインを撫でる松潤。
身をよじり逃げようとするが、ドレスが邪魔して動き難そう。
「何やってるんです?」
撮影を終えたニノたちがやってきた。
「わぁ~!翔ちゃん綺麗~!」
「素晴らしい!なで肩を生かした見事な衣装!」
「お前も馬鹿にしてんのか?」
「そんなわけないでしょ。本心ですよ。
ねぇ」
と言いながら、俺に近づいてきた。
耳元で囁く。
「大野さん、顔。眉間にシワよってますよ。ふふっ」
慌てておでこに手を当てる。
「まぁ、気持ちはわかりますよ。あんな格好して、目の前で他の男に生肌触られるなんてねぇ。
そんな顔するならとっとと自分のモノにして『俺のに触るな』くらい言いなさいよ」
クスクス笑うニノ。
簡単に言うなよ。それが出来れば俺だって悩まねぇよ。
下手すりゃ嵐が壊れるんだぞ。
俺の為にそんな事許されるか!
「心配しなくても、あなたの好きと潤くんの好きは種類が違いますけどね
それにしてもウェディングドレスとはねぇ
さすがにここまでは読めませんでした」
「どうゆう設定だよ、これ」
「だから、そのまんま夫婦でしょ?」
「はぁ?」
「それぐらい2人が信頼しあってて、支え合ってるように見えるって事ですよ」
本当にそんな風に見てもらえてるのか?
確かに翔くんの事は信頼してるけど、俺は何もしてねぇ。
俺が一方的に頼ってるだけじゃないか?
「ねぇねぇ、翔ちゃん、一緒に写真撮ってよ!」
「こんな格好でかぁ?」
「この格好だから!」
「あー!俺も俺も!」
松潤が手を挙げる。
「ねえ、良いでしょ?」
「もう、勝手にして…」
翔くんは諦めたように眉毛を下げる。
「やったー!」
「私、携帯持っているので撮ってあげますよ
相葉さん、横に立って」
相葉ちゃんは嬉しそうに翔くんの肩に手を置きピースサインする。
「はい、次潤くんどうぞ」
「やり~!」
松潤は肩を抱き寄せた。
だから!お前は近いんだって‼離れろっ‼‼
「私もお願いします」
「オッケー!」
松潤がニノから携帯を受け取り写真を撮る。