第2章 登場と同情
──バリバリッ!!
─ドスン…
「まったく、来たばっかりで力を使うと加減がわからないのに…私を襲おうとするから、そうなるんだよ」
まぁ、聞こえてないだろうけど…
後ろに気配を感じて、振り返る。
『あんたッスか?』
「今度は、随分と強そうなお兄さんだこと…」
『もう一度聞きます。あれをやったのは、あんたッスか?』
「そうだけど…何?」
そう言うと、いきなり正面から捕まりそうになった。
「危なッ!!いきなり、何するのさ!!か弱い乙女に向かって!!」
『今のを避けた時点で、か弱くはないッスよ』
「失礼なッ!!」
『マスルール、待て』
その声の方に、顔を向けると数人の男女がいた。
さっきの声は、いかにも偉そうな紫色の髪の毛の男のようだ。
『マスルール。貴方のスピードで捕らえられませんか?』
『速いッス』
『マスルールが敵わないんじゃ、俺らじゃ無理ですって…』
『シャルは、やる気がないんでしょ?』
『所詮は、剣術バカね』
『何だと!?』
『何よ!?』
何なんだ…さっきから…
いきなり襲ってきたり、喧嘩したり…
「あのさ…ここって、ドコ?」
一同『…………』
「私も、さっきここに着いたばかりで…なにが何だかんだ、わからないんだけど…」