第15章 解かれた封印と心
「そんなに心配やったら、ボクを呼んだらよかったやろ?」
その言葉に、硬く握っていた手を服から少し離して顔をあげた。
『…みんな、怒ってない?』
「怒っとらんよ。まぁ、乱菊は落ち着かんみたいやったけど」
『ごめんなさい。ギンにも黙ってきちゃって』
「そやねぇ。今日1日、側に置いてくれるんなら許してあげんこともないよ。その前に、ボクの紹介せんとあのコワイ顔の別嬪さんがヤバいんやない?」
そこで漸く、周りの気配に気がつき慌ててギンから体を離した。
『ご、ごめんなさいっ!ジャーファルさん、大丈夫ですから。彼は市丸ギン。あちらの世界の仲間です』
「仲間やなんて、もっと深い関係やないの?」
その瞬間、眷属器がギンの腕を締め上げ二人の睨み合いが続く。
『違うでしょ!それは、私があなたの事を』
「わかりました。では、話を聞きましょう。シン、宜しいですか?」
「構わない」
聞きたくない。紫水と彼がどんな関係かなんて…
でも、逃げたくない。
渡さへんよ。紫水とは、深いところで繋がっとる。
絶対に離れられん。