第11章 苦しみと推測
【まるで、タイムスリップしたみたいだな】
「えぇ、第二次世界大戦の時みたいね。でも、人はどこに行ったのかしら?」
【…主。似てないか?】
「私も思ったわ。アイツが現れた時に、似てる…」
まさか!!
【そうだと思う。阿近が、言いたかったのは…この事だったんだ】
「…ッ」
まさか…そんな…封印が破れたなんて…
あまりの事に、言葉も出ない。
"あの時"の苦しみを思い出して、拳から血が出ているのもかまわず握り締めた。
───
ジャーファル視点
どうして、こんなにイライラするのか…
紫水に突き放されただけで、不安になるのか…わからない。
こんな複雑な気持ちになった事がなくて、腹立たしくて…
自分が、こんなに感情をコントロール出来たいとは思わなかった。
人に当たり散らして、迷惑極まりない事はわかっている。
それでも、普段の自分を保つ事が出来ない…
本当に、私はどうしたのだろうか…