第1章 使命と指名
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全く、山じぃも場所の名前くらい覚えといてよ。
まぁ、いいや。そのうち眠気が…く……る…
ーお主か?ー
誰?
ー山本が言っておったのは…ー
山じぃの昔馴染み?
ーいかにもー
何をして欲しいの?
ー皆の幸せを守ってほしいー
あのな、じぃさん。人の幸せなんて色々。私が、どうこうできる事じゃない。それに、じぃさんも知ってるから私に頼んでるでしょ?
ーそうだー
私に、確実なんてない。私の"予知"が外れる事だってある。それに…
ー失いたくないか?ー
……。
ーそれなら、お主に2つ欲しいものをやろうー
2つ?
ーそうだ。なんでも願うがいいー
そのかわり、じぃさんの願いを叶えろってこと?
ーいかにも。運命に逆らわなければならない時もある。それが、叶わなくてもお主を責めぬー
わかった。なら、1つはじぃさんの知っている…その世界の事を全部教えて。2つ目は、私がこの世界とその世界を行き来できるチカラを頂戴。
ー………わかった。では、お主に我がソロモンの知恵を授けようー
……ソロモン、の…知恵?
ーおのずと、知ることになろう…ー