第1章 使命と指名
───
「んっ」
『起きたか』
「阿近…」
いつの間にか、気を失ってたのか。
『その辺で、居眠りしてじゃねぇよ』
違うし…気絶だってば
「連れてきてくれたの?」
『仕方ねぇからな…』
「ありがと…」
こんな不器用な優しさが好きなんだよね。
『行くのか?』
「うん。でも、行き来できるから大丈夫」
『そうか…』
余計な事を聞かないでくれる優しさも…
「寂しい?」
『そうだな…』
「私も、寂しいよ。でも…阿近が素直なんて血の雨が降るよ」
『そうかもな』
そんな悲しいそうな顔しないでよ…
こっちにも、帰ってこれるんだよ。永遠に、会わないわけじゃないんだし…
だから、心配しないで…
「皆に、挨拶してから行かなきゃね」
『そうだな。そう言えば、朽木隊長が、お前の事を探してたぞ』
「……?…はっ!!忘れてた。逃げなきゃ!」
『いや、もうそこまで来てる』
「大丈夫。逃げられるから!でも、行くまでに時間ないから聞かれたら説明しといて。じゃぁね」
───
『紫水。お前はいつまで、"あの人達"の事を待ってるつもりだ。あれは……』
───
さぁて、時間がないなぁ…
ギンとか乱菊には言わないと、怒るよね。
あとは、白哉にルキアに烈にも行かなきゃ…
こんなに長く"ココ"にいたから、名残惜しくて…
あの人にも、ちゃんと言いたかったなぁ
帰ってくるまで、待っててあげられなくてゴメンね。
でも、本当に時間ないから行かなきゃ…
山じぃが知ってるし、阿近にも頼んだから、大丈夫…だ……よね…
私の意識は、そこで途絶えた……。
アトガキ
阿近さん、好きだぁー
あの不器用な優しさに、キュンキュンしてる管理人でした。