第6章 .笑っちゃうよね?
火神の1人アリウープが止められた。
「今の動き……やっぱり」
「研究されてるわね、恐らくあの子に。
桃井の正体は情報収集のスペシャリスト。
いわば、諜報部員ってわけね」
水戸部センパイのフックシュートも止められてしまった。
「……監督、タイムアウトは…」
「そうですよ!まずくないすか!何か手をうたないと」
アタシに続いて川原(?)君も焦ったように言った
「必要ないわ。このまま行くわよ」
監督は自信有り気に言い放った
「いくら正確な情報を持っていたとしてもそれは過去のもの。人間は成長するのよ!
そんな常識も知らないで、知ったかぶってんじゃないわよ!」
(……まずいな、桃井は実力の先、つまりプレーヤーがどう成長するかまで読んでる。
監督は多分それを知らない。でも言ったところでどうにもならないし…)
メガネサンが練習してきたドリブルも読まれ、マンさんも攻め方が見つからず消極的になっているようだ。
「残り5秒でファールだ!」
「甘いぞ小娘っ」
監督がそう言ったとき、マンさんはメガネサンにパスをだした。
「さっきと同じじゃ抜けねーぞ!」
「大丈夫。彼はまだ、何をするかわからない!」
("彼"?カレって……まさか)
「スクリーン…」
さっきまで完全に見失っていた黒子が、スクリーンに出た。
「例え女の勘でもね」
(監督…かっこいい‼︎)