第6章 .笑っちゃうよね?
「えぇ!もうマネージャーになったんスか!?」
「その様だな」
黄瀬は未だに驚きながらも、彼女が座るベンチに目を向けていた。
「それじゃあこの試合、ある意味桃っちと#NAME1#っちの戦いっスね」
少し間を置いて、どっちが勝つと思うっスか?と尋ねる黄瀬に対し、緑間は少し悩んで答える
「そんな事は分からん。
だが、敢えて言うのなら誠凛だ。」
「へぇ…
ソレは"どっち"の意味っスか?」
「……分かっているんだろう」
黄瀬が言う"どっち"とは、きっとプレーヤーか、マネージャーかという意味だろう
そして緑間が答えたのは、マネージャーについて。
「確かに#NAME1#っちは強いもんなー」
「ああ、そうだな。
あいつは"神童"だ。バスケを続けるのなら、赤司の元へ行くと思っていたが。」
「……そっスね」
彼らが話している間に、誠凛は桃井の情報収集能力により、苦しい展開となっていく。
「データに無い手できた場合、普通なら対応できない。だが桃井は、集めたデータまで分析し、その後、相手がどう成長するかまで読んでくる。」
「でも#NAME1#っちなら、桃っちがどう読んでくるかまで読んでたんじゃぁ…」
「……そうだ。この試合の鍵は両校のマネージャー。読み合いを制した方が勝つ。
そして白金は桃井の読みを把握する事が可能だ。
読み合いをする気があれば、だが。」
「え?ソレってどういうことっスか?」
「……俺には、白金が何もアドバイスをしていないように見える。」
「えっ、じゃあ#NAME1#っちはあそこで何してるっていうんスか!」
黄瀬はベンチを指して訳が分からないという風に言った。
「さぁ、そこまでは分からん。
俺には今も昔も、あいつの考えは読めないからな」
「……それじゃあ、この試合っ誠凛が負けるってことっスか?」
「どうだろうな。だが、その可能性は高い。」
緑間と黄瀬は、かつて帝光で名を馳せた白髪の少女を、悔しそうに見つめた。