第6章 .笑っちゃうよね?
「ん〜、ココも?」
「っっ!?」
「当たりねOK」
「おまっ!わざとやってんだろ!」
「あはははそんなわけ……。」
「否定しねぇのか!?」
「じゃあ次はテーピングね〜」
足にテーピングをぐるぐる巻いていく。
ぐるぐるぐるぐる…
「ねぇ、1つアドバイス。」
「あ?」
(コイツ態度悪いな…)
「…踏み込みの足、意識した方がいいよ」
「踏み込みの足?」
「あー…やっぱいいや忘れて。」
「なんだよそれ!教えろよ!!」
「いや、ゴメンアタシの間違いあはは」
(アタシが余計なコト言ってプレーヤーを混乱させてどうすんだ……)
「おいっ」
「もーなにー」
まだ何か言うコトあるのか……と火神の顔を見ればカレは自身の足を指差しこう言った。
「これ!おかしいだろ!」
「……テーピングのドコがおかしいの」
「はぁ!?お前下手くそか!」
「何ですって……?」
「もういい!やめろ!カントク!!テーピング巻き直してくれ!…っださい!!」
「え?……っちょっとこれどうしたの!?」
「アタシが巻きました!監督!!」
(褒めてください監督!!)
監督は一瞬驚いた顔をしたが、アタシに優しく、後は任せて、と言って火神の前に跪いた。
(……やっぱりテーピング巻くのむいてないのかな)
中学生の頃も、みんなアタシにテーピングを巻かれるのを嫌がっていた。……1人を除いて
(嫌なこと思い出した…
ダメだダメだ、試合に集中せねば…)