第5章 .綺麗な花には刺がある
桃井は続けて言った。
「鷲の目を持つポイントガード伊月さん」
「無口な仕事人で、フックシューター水戸部さん」
「圧倒的なジャンプ力を持つパワーフォワード火神くん」
「小金井さん土田さん」
「そして、ギリギリBの監督リコさん♡」
「ぎゃーー!!!!ふっざけんなあーー!!」
(……監督さんの胸事情まで!!)
「あとはぁー、
あ、ひかりちゃん!やっとバスケ部に入ったんだね、久しぶり
元帝光中バスケ部の敏腕マネージャー、白金ひかりちゃん。当時監督だった白金監督の孫娘で小学生の時はアメリカで暮らしていた。
先の未来を読む事が出来る女帝の眼を持っていて練習中によく叫ぶ。でも試合中になると静か。
あの頃はCだったけど、今はD♡」
「……」
「ひかりちゃん下に水着来てるんだよね?なんでパーカー脱がないの?」
「そうだね…それよりさ、
なんでアタシの名字のコトまで知ってんの?」
「あれ、ひかりちゃん怒ってる?
怒ってないか、だってまだ日本語で喋ってるし」「桃井」
「そういうコトを言ってるんじゃない」
多分アタシ達の空気を察したんだろう。黒子が話し出した。
「桃井さん、やっぱり青峰君のところに行ったんですか?」
桃井は表情を暗くさせて言った
「うん。
テツくんと一緒の学校に行きたかったのは本当だよ。けどあいつ、ほっとくと何しでかすか分かんないからさ」
(……アタシの質問には答える気はない、か。)
それから練習は変な空気のまま終わった。
(…やってしまった。
いくらなんでも、練習の空気を悪くさせる言い方はダメだ。皆さんにちゃんと謝ろう。
それに、まだ保健室まで運んでくれた人が分かってないしね)
更衣室で着替えていると、隣に監督さんがやって来た。
「ひかりちゃん、さっきの話だけど…」
「あぁ、はい。なんでも聞いてください」
(いつか話さなきゃいけないし、もういっそすべて話してしまおう)