第5章 .綺麗な花には刺がある
「1つ言っておきますが…
IHが終わるまでアタシは皆さんを指導する気はありません」
「ええ!?なんでだよ!!」
「何でだよってそりゃ…いえ、火神。自分で考えなさい」
「はぁ!?わっかんねーよ!」
「アンタ自分で考えるクセつけとかないとこれから先色々困るよ。
まぁいいや、今回は教えたげる。
さっきも言った通り、アタシがこの、大事な時期に入るというコトは練習メニューも変われば部活内の空気も変わるってコト。
そしたら多分アンタ達もやりにくいだろうし何より、監督さんとアタシの意見がぶつかればやりたいコトを出来ないまま試合にのぞむ形になってしまう。
ソレを防ぐため、アタシはイキナリコーチの様な真似はできないからIHが終わるまでは大人しくしてるつもり」
「…つまり?」
「練習にはモチロン参加するよ。
部活に入ったからにはキッチリとマネージャーとしての仕事を務めさせてもらいます。」
「そういう事かよ」
火神は最初っからそう言えよみたいな目で見てきた。
「そういう事よ」
アタシは自分で考えろよバカみたいな目で見た。
「「……」」
(ダメだ、コイツとは上手くやっていけそうにないな)
火神とアタシの間には火花が散っていたそうな。