第5章 .綺麗な花には刺がある
ピコピコピコ
ああべつにゲームとかしてた訳じゃないよスマホのぱこぱこ音だよ文字打つ時とかになるヤツね、ピコピコでも可。
(電話とか嫌だな…しかも話したこともない人と)
う〜〜〜〜ん、と悩んだ末通話ボタンを押す。ピコ
「もしもし」
(出るの早っ)
「あ、もしもしこんにちは。お忙しいところスミマセン
誠凛高校1年、白金ひかりと言いますが…」
「ん?ああ!!起きたのね!
体調は大丈夫?」
「ああ、ハイ。お陰様で。
練習中に迷惑をかけてしまってすみません…
あの、どなたが運んでくださったんですか?
お礼に行きたいんですが体育館にいらっしゃらない様なので…」
「いいのよそれくらい
……あ、でも、どうしてもって言うんなら相田スポーツジムに来るといいわ。無理してこなくていいからね!」
「いえ!伺わせてもらいます!」
「道はマップで調べたらすぐ出てくるから。
それじゃあね」
「はい、失礼します」
(相田スポーツジム……っと)
ピコピコ
(あった……監督さんの家なんだココ)
そんなこんなで学校をでて近くのスーパーで差し入れを買ってジムまでやって来た。
(女子高生が1人でジムに通う図……ふふ)
後から考えてみると多分、というかホントにしょうもなかった。
取り敢えず受付を伺う。
「すいませ〜ん」
「はーい」
少し待っていると水着姿の監督さんが出て来た。
(……え?)
「…あ、先程電話させていただきました。白金です。」
(なんで水着なんだ…)
「知ってる知ってる!
黒子君から聞いたよ!帝光中の1軍でマネージャーやってたんだって?
高校でもやるんでしょ?マネ」
(……は?)
「とりあえずこっち来て!んでちょっと上だけ脱いで。下着はいいよ。
靴はここ、鞄はロッカーに置いてね。」
「ぇ……え?」
アタシは言われるがまま服を脱いだ。
「んー、水着はこれね、じゃあ着替えてきてね」
「ぇっと?あの……」
監督さんは素早く奥(プールだと思われる)に行ってしまった。
よく分からないまま水着を着て、監督さんのあとを追った。
(アタシ……何しに来たんだ)
(いやそれより、なんで水着がピッタリなんだ)