第4章 .下剋上
「負けて悔しいのは分かるっスけど、ホラ、昨日の敵はなんとやらっス」
「負かされたのは、ついさっきなのだよ!」
(確かにさっきまで試合してて、それで同じ席でご飯食べるとか…緑間には悪いけどシュールだな。……ふふ)
「紺野、何を笑っているのだよ」
「え、ごめん笑ってた?……ふふ」
「おい」
「ごめんごめん……そういえばアタシ紺野じゃないよ、今は白金。呼び方変えなくていいから取り敢えず覚えといて。」
「え、ああ。すまない。
というか黄瀬、お前がヘラヘラ同席しているのが理解に苦しむのだよ
1度負けた相手だろ」
(無理矢理話変えたな…なんか気を使わせてしまった)
「そりゃあ
当然、リベンジするっスよ。IHの舞台でね」
黄瀬はヘラを片手にキメ顔で言った
(何カッコつけてんのコイツ)
「次は負けねぇっすよ」
黒子はお好み焼きをひっくり返そうとした体勢のまま固まっていたが、火神は青のりを口元に沢山つけながら言った。
「っは、のぞむとこだよ」
もう1度言う
青のりを口元に沢山つけながら言った。
(ここまでつけてたらもういっそ清々しいな)
「黄瀬、前と少し変わったな」
「そっスか?」
「目が、変なのだよ」
「変!?」
「…っふ」
(いかんいかん、つい笑ってしまった。
モデルの顔が変とか[そこまで言ってない]言っちゃダメだろ緑間……ふふ)
「ああ!ひかりっち、笑ったっスね!!」「笑ってない」
黄瀬はアタシの発言に納得してない様子だったが話し始めた。
「まぁ、黒子っち達とやってから、前より練習する様になったっスかねぇ
あと最近思うのが、海常のみんなとバスケするのがちょっと楽しいっス」
「…どうも勘違いだったようだな、やはり変わってなどいない
戻っただけだ。3連覇する少し前にな。」
(あ)
緑間の後ろに見える10番が、お好み焼きを派手にひっくり返し始めた。
(ちょっと面白いことになりそうだな)
「けど、あの頃はまだみんなそうだったじゃないですか」
「お前らがどう変わろうが勝手だ。
だが俺は楽しい楽しくないでバスケはしていないのだよ。」
「お前ら、マジごちゃごちゃ考えすぎなんじゃねぇの?
楽しいからやってるに決まってんだろ、バスケ」
「なんだと?何も知らんくせに知ったようなこと言わないで____」
……事件は起きた。