第4章 .下剋上
第4Q
「黒子っち…出て来ましたね」
今ボールを持っているのは火神で、今度は一人で突っ走ろうとせずパスを出して点が入った。
「!!」
(休憩中に何かあったのかな)
しかしスグに緑間にボールが渡り、誠凛はまたもやピンチとなった
が、ココでも火神はあの跳躍力を見せた。
(これじゃあどう考えたって最後まで体力はもたない
……何かの作戦?それとも、体力が尽きるギリギリまで火神を使って交代させるか…
どちらにせよ今負けているのは誠凛、早く切り札切っとかないとあっという間に負けますよ…)
誠凛ベンチに座っている監督さんを一目見て、またコートを見直す。
コートではやっぱり秀徳10番が黒子にピッタリついていたが、直後、10番は黒子を見失ったように見えた。
瞬間黒子はパスの中継役となり、加速するパスで火神に繋いだ。そしてそれは点となった。
「やりやがった…アイツ、ついに緑間っちをぶっ飛ばしやがった
しかも、今のは中学時代、キセキの世代しか取れなかったパス!
あ、じゃなくてっガス欠寸前で大丈夫なんスかアイツは!!」
「まぁ、今のは、無理してダンク行く場面でもなかったって見方もあるな。てかそもそも ダンクってあんま意味ねぇし」
「派手好きなんスよ」
「つうかお前もな」
「でも、今のはフェイクですね」
誠凛が点を取り、秀徳がTOを取った。
「フェイク?」
「そう、オレはまだ跳べるぞっていうフェイク。
コレから体をちゃんと鍛えれば、火神はもっと跳べるようになる。
けど、今はまだそれが出来ない。
さっきからバカみたいにピョンピョン跳んでたからきっと火神の足ではもう走ることすら厳しいハズ。
今のダンクで大体は読めた」
「へぇ!!流石っスひかりっち!!」
「最後のタイムアウト、もしかしたら秀徳は火神の限界に気づいてるのかもね」
「そうだな。秀徳が突き放すか、誠凛が追い縋るか
分かれ道のタイムアウトだ。」