第4章 .下剋上
「おお!!1桁差!!」
周りからの歓声は、誠凛に対するもので
今コートの中では、火神が最強なんだと一瞬にして分かった。
誰も火神を止められない。
味方でさえも、カレに頼りきって…
(アタシの勘違いだったらいいんだけど…)
今日何度目か分からない火神と緑間のマッチアップ
緑間はスリーの体制に入り、火神もジャンプフォームに入った
しかし、火神は跳ぶことはなく、緑間のシュートは危なげなく入った。
「やべぇな」
不意に隣で笠松さんが呟いた
「何がっスか?」
「火神はそろそろガス欠になりそうってコトですよね??」
「多分な。
恐らくあいつは、まだ常時あの高さで飛べるほど体ができてねぇ
それを乱発して、孤軍奮闘してたからな
しかも途中交代とは言え、これで今日2試合目。」
「さらに津川のマークで体力が削られたのも考えると、ホントにガス欠の可能性が見えてくる。
ソレにまた加えてガス欠間近なのは火神だけじゃないとすると…」
「誠凛マジでヤバいじゃないっスか!!」
焦った火神は強引に攻めて、緑間にブロックされ、それに加え点を入れられてしまった。
そこで第3Qは終わった。