第4章 .下剋上
「そっスか」
(アレ、意外と冷静)
黄瀬ならわざとらしく声を出して驚くかと思っていたので少し拍子抜けしてしまった。
「驚かないの?」
「ひかりっちならそう言うと思ってたっス」
「…そっか」
でもひかりっちが誠凛のマネージャーになるのか〜
厳しくなるな〜
なんて言い出して、少し笑ってしまった。
「黄瀬、コテンパンにしてあげるから
次は、ウィンターカップで」
「こっちだって負けないっスよ!
ウィンターカップで!!」
モチロン、最初からずっと黄瀬とアタシの間には笠松さんがいる訳で
「……」
「笠松さんも、冬、勝負ですよ!!」
「あぁ」
短いながらも返事をしてくれた。
ホントはIH本戦からでもこの戦いに参加したい。
けど、今アタシがあのチームに入ることで士気を下げるかもしれないし、入る時期を完全に間違えてる。
アタシがバスケ部に入るのは誠凛バスケ部がウィンターカップに向けて動き始めるその日。
それまでは出来るだけ応援に行こう。
それで色んな学校のデータを取って、みんなの役に立って、今度こそホントのチームメイトになろう。
「黒子とか、歓迎してくれるかな」
「黒子っちなら大丈夫っスよ」
「そっか、実はクラス同じだけどまだ話したことないんだよね」
「えぇ!?そうなんスか!?」
「うん、席も斜めだし」
「近!!」
「でもあっちは気づいてないみたいだし、髪切ったからかなぁ」
「名字変わったってのもあるんじゃないスか??」
「そうかもね」