第4章 .下剋上
その後も緑間はスリーをキメていく
点差は開くばかりだ。
「まじーな、いよいよ誠凛 限界だな」
隣で笠松さんが呟いた
(確かにマズイ…オールコートから打てるようになった緑間を止める策なんてあるの?)
コートの中の選手も、ベンチも明らかに焦っている。
(折角試合を見ているのに何も出来ない…これじゃあ、アノ時と同じ…!!)
自分の不甲斐なさに、スカートの上の拳に力が入る。
「あ〜、根性見せろよ誠凛」
「見せてるよ馬鹿、あんだけ力の差見せつけられて、まだギリギリでテンション繋いでんだ。寧ろ褒めるぜ。」
「……」
第3Q
黒子はベンチに下げられて始まった。
前半と同様、緑間のスリーで点差が開いていく
しかし誠凛は誰一人諦めていないようで、火神も緑間に必死に食らいついていた。
そのシュートは、最早何本目かは分からなかった。
でも、アタシはその瞬間を見たのだ。
「……!!」
火神の指先が緑間のシュートに掠る瞬間を。
残念ながらそのシュートは入ってしまったが
でも、可能性は見えた。
「誠凛が、追いつくかもしれない…!!」