第4章 .下剋上
黒子がレーザービームを決めたことにより、緑間がスリーを打つのを躊躇った。
「緑間っち、今のは打とうと思えばいけたんじゃ…」
「アンタの目は節穴なの?アレは黒子の回転式長距離パスを警戒しての行動よ。
緑間のスリーは滞空時間が長い分、失敗したコトを考えた時、プレイヤーの殆どはゴールの下からは動けない。
けど、その滞空時間のお陰で火神は反対ゴールに攻めに行く時間ができる
だから緑間は打てない。」
「ソユコトっスか!」
「にしても、そのパスを出すタイミングと判断力、それを見せつける度胸。あいつ、ああ見えてお前と帝光中にいただけの事はある。
百戦錬磨だ。」
その後も両者1歩も譲らない展開だったが、何か違和感があることに気づいた。
(あの10番……もしかして"見えてる"?)
黒子のマークに代わった10番が、さっきからちゃんと黒子をマークしている動きを見せるのだ。
(……"目"がいいのかな)
いつの間にか誠凛が取っていたTOも終わり、緑間がハーフコートからスリーをキメていた。
それの仕返しだとでも言うように、火神は1人アリウープをキメた。
しかし、天才というのは残酷だ。
緑間は自陣のゴール下からスリーを打ったのだ。