第4章 .下剋上
対秀徳戦
「それでは、予選Aブロック決勝 誠凛高校対秀徳高校の試合を始めます」
「あ、ホントに緑間が居る」
「オレの言うコト信じてなかったんスか?」
「ぇ、いや…なんか他の学校のユニフォーム着てるのが見慣れなくて……」
「そういえばひかりっちは黒子っち以外の人等のユニフォーム姿見たことないんスね」
「そりゃあね」
「海常遊びに来るっスか?オレひかりっちの為ならユニフォーム着て練習するっスよ」
「チャラい ウザイ 遠い」
「……黄瀬、見事に嫌われてんな」
「うぅ…笠松センパイ、言わないでほしいっス」
黄瀬のコトはいつも通り無視して、コートへ目を向ける。
先制点のチャンスとなった黒子→火神のアリウープは緑間によってブロックされた。
次にチャンスが回ってきたのは秀徳で、点をとるのに確実なレイアップを決めようとしたがメガネサンのタッチにより点にはならなかった。
(序盤からスゴイ戦い……どちらが勝つかまるで検討がつかないな)
「均衡状態に入りましたね…」
「ああ、バスケの試合は40分。10分ずつ4Qで細かく区切られている。
それはつまり、最低3回は流れが変わるポイントがあるという事。
だが逆に言えば、1度流れを持っていかれるとそのQ中に流れを戻すのは困難だ。
両チーム無得点のまま、もうすぐ2分。
このまま行くと、第1Qは恐らく先取点を取った方がとる」
笠松さんが話し終わったタイミングで、緑間がスリーポイントの体制に入る。
「均衡が崩れた!コレで流れは秀徳だ!」
緑間のスリーは、空中で沢山の時間を食いながら大きく円を描き、リングに掠ることなく入った。
(いや……アタシ達は何かを忘れてる。忘れてるというよりかは……"見えていない")
「………!!黒子!」
アタシが叫んだタイミングで、コートの端から緑間の横をボールが通り、すかさず火神がダンクをキメた。
「ぉお〜!!」
周りからは響きや、歓声の声が上がっていた。
___試合はまだ、どちらにも傾いていない。