第4章 .下剋上
ピーーー
隣のコートで、交代を示す合図が鳴る
「5分もしないでもう温存、あっちの方は余裕みたいっスね」
「ま、当然だ。
相手も普通の中堅校だし、波乱はまずねえだろ。
あるとすりゃあ、こっちなんだが…」
隣では秀徳と銀望がやっていて、16-2と、今のところ秀徳がリードしている。
「秀徳って確か、去年決勝リーグで誠凛と当たったトコ?」
「良く知ってるっスねひかりっち、秀徳は緑間っちが行ったトコっスよ。知ってるんだろうケド」
「え、緑間秀徳なの?」
「え!?知らなかったんスか!?」
今まで試合見に来てたんじゃなかったんスか!と言われてしまい、つい口を滑らせてしまった。
「いや だって、今まで誠凛の試合しか観たこと無かったし」
「ふ〜ん、やっぱり準決以外も見に来てたんスね」
(しまった)
「別に、家が近いだけだし?買い物ついでにパパッと観てあげようとかそんな感じで…」
我ながらヒドイ言い訳だ。
取り敢えずこの話は終わりにしよう。
「そんなコトより緑間は秀徳ってのは分かったケド他は?」
「え、ああ。赤司っちは京都の洛山、青峰っちは桐皇、あ、桃っちもっスよ。後紫原っちは秋田の陽泉だった気がするっス」
「ふ〜ん、見事にみんなバラケたね あ、ファウル」
「そっスね」