第4章 .下剋上
「黄瀬、この子とどういった知り合いなんだ?」
元カノかと思ったがどうやら違うようだ
「あ、笠松センパイっ紹介するっス!
元帝光中バスケ部マネージャー、こん「白金」…そうだった、白金ひかりさんっス」
先程名前を紹介したばかりだが、早速名前を間違えた黄瀬が彼女のことを語り出す。
「小学生の頃はアメリカにいて、中学に上がる頃日本に来たみたいっス。だから怒った時とかは英語で喋るんスよ、器用っスよね。」
「アンタとは頭の作りが違うからね」
「ひどいっス!」
少女な余計なこと言うな、と黄瀬の近くに寄り背伸びをして頭にチョップをかます。
「いたっ…くないっス」
「あ、笠松さんってもしかしてキャプテンの?」
「え、あ、ああ。」
黄瀬と白金のやりとりを見ていた笠松は、さっきと同じ返しをしてしまったことに気づいた。
「えっと…」
「何でも好きに呼んでいいですよ。
あ、でもたまごっちみたいな呼び方はイヤですけど」
呼び方に困ったのか言葉に詰まった笠松に、先輩だから失礼のないように…と注意して話していたが、最後に黄瀬に目をやり毒を吐いた。
しかし2人とも気にしていない様だった。
「じゃ、じゃあ白金。」
「はい、何ですか?」
「お前は誠凛のマネージャーじゃないのか?」
その質問に少し間を置いて答える。
「はい。バスケは好きで見てるだけなんで。
高校に入ってプレイヤーになりたかったんですけどね、初心者って理由で断られてしまって。身長が高くないって理由もあるかも知れませんけど。
あ、でも気にしてませんよ。見てる方が好きなので。」
彼女は少し雰囲気を悪くしてしまったと思い、取り繕うように言う。
「誠凛って、以外と強いんですよ。
みんな試合を重ねる毎にどんどん強くなっていってるし、得にかが…あ、10番の人の跳躍力がすごいんです。」
「火神っちのことっスよね?確かに、跳ぶ度に高くなっていってる…」
「またそんなたまごっちみたいな呼び方して…何?火神大我のこと知ってたの?」
「知ってるっスよ、前にウチで練習試合したからね」
「へぇ」
「ていうかひかりっちもしかして準決以外も試合見に行ってたんスか?」
「…は?アタシそんなに暇じゃないし、ていうかその呼び方やめてよ」
「ふ〜ん、いいじゃないっスか!ひかりっち!」