第2章 .噂をすれば影がさす
(何か今日人多いな…)
あの朝礼の日から、私は毎日放課後体育館に足を運んでいる。
もちろん部員にバレないように、小窓から中を覗くのだけれど。
(そんなに人入ったら、部活に集中出来ないでしょ)
体育館に向かうのは女子ばかり。
(ナニコレ、かっこいい部員でもいたの?)
バスケ部もようやく気づいたようで、いつもなら有り得ない状況に驚いている。
「あーもう、こんなつもりじゃなかったんスけど」
女子の人だかりの中から聞こえてきたのは男の声。
(アレは……)
男は自分から来たくせに、5分待てといい周りに群がる女子にサイン(?)を書いていく。
5分後、壇上から降りてきた男はバスケ部と話しだした。
(間違いない。キセキの世代、黄瀬涼太だ
何でここに…まさか、アタシが噂(1人で)してたのが原因!?噂をすれば影がさすって言うし…噂怖!)
黄瀬涼太はその後火神大我と1on1をして帰っていった。
(何しに来たんだ……)
黄瀬涼太の意味不明な行動に疑問を抱いたが、考えるのも面倒になりその日は最後まで部活を見ずに帰った。