第5章 すれ違いバースデー
結局料理は食べきれなかったので諦めて冷蔵庫にin。
ケーキはすぐに食べられそうになく、先に風呂を済ませることに。
僕が風呂から出ると、先に風呂を済ませた梢が切り分けたケーキをリビングに運んでいた。
梢は本当にホールケーキを買ってきてくれていたので今日は1/4を食べることに。
ついでに僕の買ったショートケーキも一緒。
紅茶をティーポットに入れているのを横目に見つつ、マグカップをガラステーブルに置けば、梢は僕の横に座る。
いただきます。
そう丁寧に挨拶をし、自分用のケーキを食べて行く梢。
生クリームたっぷりのケーキを目の前にし、僕はふ、と楽しそうなことを思いついた。
「ねえ梢?」
何かを察したように僕を見る梢。
それを見て僕はフォークに生クリームたっぷりのケーキを一口すくい、梢の前へ差し出した。
「はい、どうぞ?」
いつもはやらない行動に、梢は恥ずかしそうに口を開ける。
甘いよ、梢。
フォークは口ではなくその少し横。
梢の頬に当たる。
「あ、ついちゃったね。」
「ついちゃったじゃないでしょ?」
ティッシュティッシュと周りを探す梢の腕をぐいと引けば、当然驚いた顔。
「綺麗にしてあげる。」
そういうと僕は、梢の頬についた生クリームを丁寧に舐めとる。
この行動の意図に気づいたのか梢は困ったような顔をして視線を彷徨わせた。
「ん、美味し。」
「ね、月し「蛍でしょ?梢?」
くいと掴んだ顎をこちらに向け、瞳を覗きこめば梢は小さな声で僕を呼んだ。
「ね、服脱いでよ。」
梢はこくりと頷く。
ぷつり、ぷつりとシャツワンピース仕様のルームウェアのボタンを外していった先を見て、僕は口元の笑みを隠しきれなくなった。
「ねえ、これキミが買ったの?」
布面積が極端に狭いマイクロビキニ。
そしてその布も透けていて下着の意味など成していない。
「本当、僕好みの変態になっちゃったね。梢。」
ぺろりと唇を舐め渇きを潤す。
「…早く頂戴?」
待てないカラダを見せつけるように、背を反らし足を開く梢を見て僕は口端を上げた。