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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第11章 もう1度振り向いて


和也side

俺は走る前に準備体操をした。
運動会とは言えどもやっぱり負けたくねぇしそれに……
俊君にいいとこ見せたい。

最近、俊くんのことが気になっている。
結城が入院して泊まりに行っていたときからずっとだ。
結城の弟だし、それに小学生。
駄目なのは分かってるけど、好きなんだ。
結城に騎馬戦に出場して振り向いてもらおうって言ったものの……正直何で余計なことしたんだろって自分で後悔してる。

俺だって振り向いて欲しい。
けど、無理だろうな。
お守りもらった時は本当に嬉しかった。
俺にもチャンスあるんじゃ?って思った。
そんなはずねぇよな。
俊くんには結城がいるんだ。
結城しか見えてねぇだろうな。

だったらせめていいとこ見せたい。
それだけでいい。
これは実らない恋だ。

スタートの合図のピストル音が鳴る。
その瞬間、気持ちを入れ替える。

俺らのチームは現在2位。
1位との間が広がっていく。
俺はアンカーだ。
結城の次に速いからと任せられた。

次が俺の番か。

「和也さーん!頑張れー!」

俊くんの声。
目の前には俊くんが叫んでいる姿がある。
思わず顔が熱くなる。
隣にはかなり怖い顔をした結城がいる。
嫉妬か?
まじでその顔怖ぇから。

「和也!頼む!」

「おう!」

2位のままバトンが渡る。
アンカーは2週。
絶対ぇ抜いてやる。

見ててね俊くん___
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