第11章 もう1度振り向いて
俊side
やっぱ僕の学校と違って迫力がある。
競技一つ一つ目が離せない。
「やぁ、俊くん。あとお母さん、こんにちは。」
和也さんが笑顔で話しかけてきた。
青いハチマキが似合っている。
「和也、お前次出番だろ?行かなくていいのかよ。」
「行くよ。そんな焦んなくても大丈夫だって!」
「え、次ってリレー?!和也さん出るんですか?!」
「まあ、陸上部だし(笑)本当は結城と走りたかったけど。」
「仕方ねぇだろ?お前が派手に転ぶとこ見といてやるよ(笑)」
「転ばねぇよ!じゃあな!後で!」
和也さんは走って入場門前に並ぶ。
兄ちゃんは僕の横に座り和也さんを見つめる。
真剣な表情だ。
でも観客席にいていいのかな?
「兄ちゃん、観客席にいていいの?」
「あ?バレねぇよ。」
「そう。」