第11章 もう1度振り向いて
結城side
いよいよ運動会の日がやって来た。
天気は快晴。
入場行進の場所に和也と向かう。
「兄ちゃーん!和也さーん!」
俊が走ってきた。
「俊くん!おはよう!」
「おはようございます!これ!2人に!」
俊が差し出したのはお守り。
「これ……」
「つくったんだ!下手くそだけど、少しでも力になれば。じゃあ、頑張って!怪我だけはしないでね!」
俊は走って観客席に向かう。
手には何度も刺したのだろう。
絆創膏が貼ってあった。
「俺もいいのか?」
「……捨てんなよ?俊が手を怪我してまで作ってやってんだ。」
「分かってるって!捨てねぇよ!」
俺と和也はお守りをポケットにしまい入場行進の隊形に入る。