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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第10章 裏の顔


俊side

「「ただいまー」」

僕と兄ちゃんの声が重なる。

「おかえり」

母さんが奥から出てくる。
……気まずい……

「俊、ちょっといい?」

「うん……」

母さんに呼ばれた。
何だろ……

「その……俊……ごめんなさい!母さん……あなたにほんとに悪い事したわ……母親失格って事は分かってる。でもあなた達の母さんでいたい……」

「……うん……大丈夫……僕も母さんでいて欲しい。仕事で忙しいかもしれないけど仕方ないと思うし。それも僕達の為だもんね。」

「ありがとう。」

母さんの笑顔久しぶり見た。

「うおぉぉ!!」

兄ちゃんがキッチンで騒いでる。

「母さん!!火!!付けたままにしちゃ駄目だって!!溢れてるから!」

「ご、ごめん!忘れてた!!」

兄ちゃんが慌てて火を消す。

なんか……母さんと兄ちゃん仲良くなった?

「ん……これさ辛くない?」

「え?そう?」

「俊は食べれねぇよ。な?」

「え?……んー。」

1口口に運び味見をしてみる。

「そうかな?大丈夫じゃない?」

「何?結城……母さんに対抗心でも燃やしちゃった?(笑)」

「な、そんなこと……ねぇし。」

何か自分の家族じゃないみたい……
幸せ……

「ぷ…くくく(笑)」

「「?」」

「ご、ごめん。そんなんだったけ?2人とも。新鮮(笑)」

いつもと違う雰囲気だけど……

「大好き。」

僕はさっきまでのモヤモヤがいつの間にか消えているのに気づかなかった。
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