• テキストサイズ

僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第10章 裏の顔


結城side

俊の小学校に着いた。
懐かしいな……
俊の靴箱を覗くとまだ靴が入っていた。

「あ、俊の兄ちゃんだ!」

「あ!ほんとだ!」

俊の友達か。

「ねぇ、君たち。俊ってどこにいるか分かるかな?」

「えっと……」

「昼休みに急に倒れて……」

「倒れた!?」

「うん。で保健室の嘉神先生がそこにちょうど来て、保健室に運んで行ったよ!」

「それから見てねぇな。」

「あ、俺も。」

嘉神!!
アイツ!!

俺は保健室に向かって走った。
何か起きてる気がした。
久しぶりに走ったがまだ鈍ってない。
やっぱ走るとまだ痛むか。

保健室の前に着き扉を勢いよく開ける。
ビシャーン!!

「俊!!っ!?」

「にぃちゃん……」

ベッドの上で嘉神に体を触られていた。
動けない俊はただ涙を目に溜めていた。

「あーあ……イイトコだったのに……」

「嘉神ぃ!!」

俺は殴り掛かろうとした。
けど……

「やめて!兄ちゃん!!」

俊が声を上げとめた。

「殴っちゃだめ……」

「俊……」

「君ってほんとに弟が好きなんだね。けどさ、俊くんがこんなに苦しんでるのは君のせいだよ?」

俺の?
俊の顔を見ると辛そうだった。

「違うよ……僕が悪いんだ……」

「俊くんはストレス抱えてる。可哀想に。」

静かになった部屋に廊下で響くチャイムが入り込んでくる。

「帰る時間だ。俊くんは返すよ。けど……これ以上僕のお気に入りに傷つけないでね。」

「っ!」

お気に入り……

「兄ちゃん……帰らないと……」

「……おぉ。」

俺は俊をおぶって帰ることにした。

/ 196ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp