第10章 裏の顔
結城side
「結城〜」
「んー?」
屋上で風に吹かれながら昼食を取る。
「なんかあった?」
「……んー……さあ……なんで?」
「いや、お前珍しく授業中ボーとしてたから……」
「あー……まぁ」
「どうせ俊くんでしょ?」
なんで分かんだよ……
エスパーか?
「喧嘩?」
「いや……そういう訳じゃないけど……」
「朝から俊くん見たよ?何か具合が悪そうだったな……」
具合が悪そう?
てかそれより……
「お前、俊見たのか?」
「うん。すっげぇ早い時間だったな。」
「……俺は朝から俊の可愛い顔見てねぇで癒しなしで学校来たのにお前は俺置いて俊を見たのかよ。」
「え……なんかごめん……てか朝から見てねぇの?」
「朝起きたら置き手紙置いてあっただけ………具合が悪そうだったって……」
「うん。フラフラしてたし……危なかった……」
じゃあ、何で学校行ってんだよアイツ……
「帰り迎え行ってやれよ。ほんとに危なかったから。」
「けど陸上……」
「俺らはいいから!マネージャーいるし!」
「そうか……ありがとな。あ、じゃこれは俺からの伝言。由衣の話聞いてやれよ。何か言いたそうだからよ(笑)」
「由衣?なんでまた。」
「いいから、鈍感和也くん♪」
「な、鈍感!?どういう事だよ!」
「そのまんまの意味だよ。」