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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第10章 裏の顔


結城side

学校に着き、陸上の所に向かう。
俺が練習をする訳ではない。
ドクターストップかかってるし。
怪我で運動は出来ない。

「お、結城!おはよう!」

「うん。朝練お疲れ。」

和也が部活着を着て汗ダクになっている。

「今日はどう?調子いい?」

「ん、まぁな。タイムもいつもより出てる。フォーム見ててくれね?」

「おぉ。」

俺は陸上が出来なくなってからはこうやって手伝いに来ている。
後輩に指導したり、和也はいつも俺を頼る。
先輩だってそうだ。

2週間後が試合になっている今、部活のメンバーは焦っている。
先輩達はその試合で最後だ。
そりゃあ、いい結果を出したいに決まっている。
まぁ、和也が上取るだろうな。

スタート合図の空砲と共に和也が走り出す。
かなりスタートダッシュが良くなっている。

ゴールし戻ってくる。

隣には由衣がいる。
和也から目が離せないんだろう。
鈍感な和也は気づいてない。
気づいてやれよな……

「ハァ……ハァ……どうだった?」

「そうだな、大分良くなってるんじゃないか?けどもう少し手の力抜け。手に全部の力が集中している。足に集中したらどうだ?」

「おう!やっぱお前すげぇわ!ありがとうな。」

「そろそろ終わらねぇとホームルームに遅れるぞ。」

俺と和也は急いで教室に向かった。

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