第10章 裏の顔
結城side
朝起きると隣のベッドに俊がいなかった。
「っ!?俊!!」
慌てて階段をかけ降りる。
普段俺の方が先に起きて朝食を作る。
けど、今日は違う……
起きた時間もいつも通り……
「母さん!!俊は?!」
「……先に学校に行ったみたいよ。」
置き手紙を笑顔で見せた。
先に?
何時に?
早すぎる……
起こしていくぐらいすればいいはず……
「くそっ!!」
「結城?」
「っごめん……」
つい感情が出てしまった。
俊が何を考えてるか分からねぇ。
声をかけなかったのは何でだ……
……顔を合わせたくなかったとか……
確かに嫌われてもおかしくねぇ……
昨夜無理やり抱きしめたしな……
身支度、朝食を済ませる間も俊の事を考えていた。
「結城、いってらっしゃい。」
「うん……」