第5章 悪いのは……
俊side
「俊くん、朝だよ。」
いつもとは違う声で起こされる。
和也さんはパジャマとして使っていたジャージを綺麗に畳み私服に着替えていた。
結構シンプルな感じだ。
キッチンからはいい匂いが漂っている。
「俊くんはアレルギーとかないよね?」
「はい。」
和也さんは僕の前に目玉焼きを置いた。
その後にこんがりと焼けた食パンを置いた。
「ごめん、俺もちょっと寝坊してこんなもんしか作れなかった……(笑)」
「いえ!昨日すごく美味しかったですし!それだけで十分です!」
「ぷっははっ……俊くんてさ、しっかりしてるよね(笑)結城のおかげ?」
「……どうでしょう……まぁ、兄ちゃんだったらどうするかなって考えて行動したりしてますし……兄ちゃんみたいになりたいし……ずっと憧れてるんです。」
「……けど、今じゃ憧れより恋心……ね……」
「っ!////」
恥ずかしくなって朝食を食べる手が速まる。
「はは、わかりやすすぎ(笑)」
和也さんは凄くいい人だって思うけど時々意地悪。
でも、嫌いじゃない……
僕達はご飯を食べ終え兄ちゃんのお見舞いに行くことにした。
やっと兄ちゃんに会える!
たった1日だけど、長く感じた。
「俊くん?その格好で行くのか?今日は昨日より暑いけど?」
「あ、はい(汗)」
兄ちゃんに見られたら大変だし……
僕は長袖で病院に向かうことにした。
外に出ると和也さんはバイクに乗っていた。
「後ろに乗りなよ。」
「え?」
「はい、ヘルメット!……?どうしたの?行かないの?」
「い、いえ!行きます!」
バイクとか初めて乗った……
てか、すっごいカッコイイ!
和也さんってバイク乗れるんだ……
風が気持ちいい……
僕は落ちないように和也さんにしっかりつかまっていた。