第1章 完璧な兄
俊side
30分くらい経って2階から足音がした。
降りてきているのかな。
何故か変な汗が出てきて、どうしていいか分からなくなり近くにあったクッションを抱きしめる。
扉が開く音がする。
ヤバイヤバイ……
どんな顔したらいいんだよぉ!
「っ!俊……お前帰ってたのか?」
「う、うん……兄ちゃんも……」
「誰?……え、弟!?」
「うん。俺の弟の俊。」
兄ちゃんの後ろから女の人が出てきた。
可愛い。
「へぇ〜弟いたんだぁ!」
そう言って僕の方に走ってきた。
顔を覗き込まれる。
「っ!あの……何か?////」
「可愛い〜!何歳?」
「11歳……ですけど……」
「小学生!?」
思わずクッションに顔をうずめてしまう。
シャッター音がして写真を撮られているのに気づく。
「ちょっと何撮ってんの?」
兄ちゃんがお茶を注ぎながら女の人に言う。
「別に良いじゃん!可愛いもん!」
「……別に良いけど。」
彼女かな?
だってさっき部屋で……
「じゃあ、私帰るね!」
「おぉ……気をつけろよ?」
「うん、お邪魔しましたー」
女の人は家から出ていった。
「兄ちゃん……良かったの?送っていかなくて……」
「なんで?」
「え……だって彼女じゃないの?」
「……違うけど……」
え?彼女じゃない?
じゃあなんであんな事……
「俊……お前その番組面白いの?」
「え?」
「……いや、見てたから……」
「ううん!違うよ?!あれ、何でこんなの観てんだろ?僕変なの(笑)」
「……」
落ち着け……僕。
全部忘れる!うん!それが1番いいよ!