第1章 完璧な兄
俊side
今日の学校はとりあえず終わり、僕は歩いて家まで帰っていた。
「……雨降りそうだな。」
僕は傘を持ってなかったため急いで家に向かった。
「ただいまー」
ふと見ると兄ちゃんの靴とあと一人の靴があった。
兄ちゃんは今日部活のはず。
友達でも来ているのだろうか。
自分の部屋に向かおうと階段を上がる。
僕は兄ちゃんと共同で部屋を使っている。
部屋に入ろうとドアノブに手をかける。
「……っ!結城……くんっ……」
え?
中から女の人の声が聞こえる。
なんとなく入ってはいけない気がして手を止める。
僕は部屋に入るのを止めて、リビングに向かった。
無意識にテレビを点け別に面白くもない番組をボーっと眺めていた。