第5章 悪いのは……
和也side
「結城が可哀想だから口聞いてやれよ(笑)」
「むう……」
俺は買い物してきた袋を持ってキッチンに向かった。
何にしようか迷ったけど小学生が好きそうなハンバーグにした。
「わぁ……美味しそう……」
「だろ?料理だけはアイツに負けねぇから(笑)」
俊くんは最初目をキラキラさせながら焼くところを眺めていたが、俺の言葉を聞いて下から見上げてきた。
上目遣い状態だ。
「兄ちゃんだって負けないもん!」
頬を膨らませて言った。
結城が可愛いと言うのも分かる。
かなりの美形で女の子と間違われてもおかしくない程だ。
正直抱ける。
まぁ、相手は小学生で親友の弟だ。
そんな事はしない。
「お?言ったな(笑)食べてからその言葉後悔すんなよ?(笑)」
俊くんはお茶碗に2人分のご飯をついでいた。
俺も夕食の準備が終わり、料理をテーブルに置いた。
「よし!食ってみろ!」
「い、いただきます……ハムハム」
「どうだ?」
「お、美味しい!」
「な?結城とどっちが上手いか?」
「う……選べませんよ……だってどっちも美味しいし、好きだもん……」
一瞬「好き」という言葉にビクっときたが料理に対してだろうと思い少しショックを受けた。
自分でも何考えてんだって思うけどこんなに可愛いかったら我慢は出来ない。
「そんなのずりぃよ……んじゃ、俺もいただきます!」
やっぱ俺天才!
うめぇなぁ!
「あ、そう言えば、俊くんって寒がりなの?」
「え……」
「いや、長袖着てるからさ。」
「あ……そ、そうなんです!」
俊くんは慌てて袖を伸ばした。
何か見られたくねぇのかな?