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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第5章 悪いのは……


結城side

すっげぇ暇で結局夕方までスマホを弄っていた。
あー……俊に会いたいー……
癒しが足りない……

そうやってぼんやりと過ごしていると背後から足音が聴こえた。

「っ!俊!」

俊だと思って振り向いた。
けど……

「だーれが俊だ。」

「……和也かよ……」

「せっかく部活休んでまでお見舞い来てやったのによ……」

俺は俊だと期待していたけど、和也だったためかなりテンションが下がってしまった。

「ニュース見たぞ?……俊くん守るために飛び出したんだろ?」

「あぁ……」

「で?足はどうなんだよ?」

和也はベッドの横に置いてあった丸椅子に座った。

「んー……痛みはないんだけどな……全然だめ……陸上も……」

途中で言葉を止めたけど、察したのか溜息をついた。

和也は右手で拳を作り「馬鹿……」っと言って軽く俺の額にぶつけた。

「けど……まぁ……」

「まぁ?」

「俊くんが無事で良かったな……」

そう言って笑顔で言った。
やっぱコイツは信頼できる。

「あぁ……なぁ和也……お前、料理確か得意だよな。」

「まぁ、バイトで厨房担当だしな。」

俺と和也は同じ場所でバイトをしていた。
俺はだいたい接客担当だが、時々厨房に回っている。

「あのさ、頼みがあんだけど……時々でいいから俊のとこ行ってくれねぇかな?」

「……は?」

「いや、うち親がなかなか帰れなくてさ……それに母さんと二人きりになると俊、ストレス抱えちまうんだ。忙しいのは分かってる……無理にとは言わない……」

和也は考え込んでいた。

「うーん……俺も忙しいしな……無理かも……」

「そっか……ごめんな無理言って!」

「ぷっ!ははは!嘘だよ!」

な?!コイツ!!

「時々じゃなくて、毎日行ってやるよ!家近いしな!」

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