• テキストサイズ

僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第5章 悪いのは……


俊side

家に帰りつくとお腹が減ったからとりあえず何か食べようとキッチンに向かった。
そう言えば兄ちゃんが戸棚にパン置いてるって言ってたけ……
僕は戸棚を開けた。
その時、扉が開く音がした。
誰だろうと入口付近を見ると母さんだった。
かなり疲れている。

「母さん……おかえりなさい……」

「……あら、いたの……学校は?」

「兄ちゃんが休めって……」

「……そう」

母さんは椅子に座りカバンの中を探り出した。
中から現れたのはタバコだった。
タバコは吸わないはず……体に悪いからって吸ってないはずなのに……

「母さん?なんでタバコ……」

「……」

「……母さん?体に悪いよ?」

それでも無視される。
全く聞いてくれないから僕は近づきタバコを取ろうとした。

「ねぇ!母さん!タバコダメだって!」

「っ!うるっさいわね!」

母さんは僕の腕を掴みタバコを押し当てた。

ジュゥゥゥゥゥ

「あ゛ぁぁっ!!」

痛い……何で……

母さんは立ち上がり僕の頭を掴んだ。

「母さん……痛い……」

「……なんであんたじゃなかったの?」

バシッ!

顔を叩かれた。
勢いで僕は倒れ込んでしまった。
頬がジンジンと痛む。

「うっ!(涙)」

痛くて目から涙が溢れ出てきた。

「あんたのせいで結城が……陸上止めなくちゃいけなくなったのよ……分かってるの!?」

「うっ!ごめんなさい!」

母さんは僕に手を差し伸べた。
許してくれたのかなと思い手を取り立ち上がった。
けど、手を離してくれなかった。
袖をまくり上げ、再びタバコを押し当てられた。

「いっ!やあぁぁ!母さん!!止めてよ!」

「結城はね!これよりも痛い思いをしてるのよ!思い知りなさい!」

「うぐっ!やだぁぁぁ!痛いっ!母さん!」

何度も何度も押し当てられた。

数えれないくらい火傷の痕が付いてしまった。
こんなんじゃ外に出れないと思い長袖に着替えて部屋に引きこもっていた。
母さんに次会ったら殺されそうだったから。
寝ようにも眠れないからただボーとしてるしかなかった。

/ 196ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp