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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第5章 悪いのは……


結城side

俊が病院を出てすぐに母さんが病院に来た。

「結城!!」

急いで来たのだろう息を切らして入ってきた。
手には紙袋を持っていた。
中はおそらく俺の着替えとかだろう。

「大丈夫なの?!なんでこんな事に……」

「大丈夫だよ。少し痛むけど。」

「先生はなんて言ってるの?」

「あー、激しい運動はもう出来ないだろうって……陸上も辞めろって言われたよ。」

「そんな……」

母さんはショックを隠せないでいた。

「それから、しばらくの間は入院だって。歩けるようになるまでここにいないと。」

「どのくらいかかるの?」

「先生は1ヶ月くらいだろうって。」

その瞬間、ふと思った。
俺がいない1ヶ月の間は俊は1人ってことだよな……
母さんもなかなか帰れないし……
飯とか……

「母さん、1ヶ月間俊がひとりになるんだけど家……帰れないよね……」

「あー……その事ね……今までよりは帰るようにするから……」

「ほんとに!?じゃあ、俊の心配は……」

「どうして助けたの?」

「え?」

表情が暗くなっていた。

「助けに行かなかったらあなたもこんな事にならなかったはず。だいたい、あの子がちゃんとしてないからこういう事に!あーもう!イライラしてきた!母さんもう帰るね!少し寝たいし!」

「母さん!?何言ってんの!?俊は悪くない!」

「結城!あんたもあの子に構いすぎよ!もう少し考えなさい!」

「はぁ!?弟だからだろ?!」

「確かにそうよ!けどね、あの子のせいであなたが危険な目に会うの!」

母さんはそう言って病室を出ていった。
あんなにイライラしてるのは初めて見た。
それに……俊のせい……
違う!俊は悪くねぇんだよ……
母さん……お願いだから俊を本当の息子として見てやってくれよ……
あいつは何も悪くねぇんだから……
俊も努力してんだよ……認めてもらおうと……

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