第1章 完璧な兄
俊side
「あと1試合しようぜ!」
「おう!」
僕達はギリギリまで遊んでいた。
「パスッ!」
っ!
ズシャァ!
「いってぇ!」
コケてしまった。
だっせぇ!僕!
「大丈夫か?(笑)」
仲間達が笑いながら駆け寄ってきた。
「へーきへーき。保健室行ってくる。」
「おう!」
僕は保健室に向かった。
ガラガラっ!
「失礼します。」
「っ!やぁ!俊くんではないか!」
笑顔で声をかけてきたこの保健の先生は嘉神先生。
女子に人気。
身長は兄ちゃんと同じくらい。
兄ちゃんが小5のときからこの学校に居るらしく、嘉神先生は兄ちゃんの事をよく知ってる。
「今日はどうしたのかな?」
「ちょっとコケちゃって……」
「本当に君はおっちょこちょいだな(笑)こっちにおいで。消毒するから。」
「ほーい」
別にこの先生は嫌いじゃない。
凄くいい先生だと思う。
僕はよく怪我するから保健室利用するけどいつも笑顔で接してくれる。
「はいっおしまい!」
「ありがとうございます!」
「あ、そうそう!お兄ちゃんは元気かな?」
「え、まぁ……いつも通りですけど……」
「そっか!なら良かった!それにしても俊くんと結城くんは全然似てないね(笑)」
「そうですか?」
「うん。特に……」
僕に顔を近づけ、笑顔で
「僕に対して(笑)」
「え?」
少しドキドキしてしまった。
だって凄い近いし……息が当たってる。
「なんかね……結城くんは僕を避けてたんだよね……て言うか冷たいって感じかな?」
あの兄ちゃんが?
普段は笑顔で誰にでも接する人だよ?
「でも、君は違う。それに結城くんより可愛いね(笑)」
むっ!
今ちょっとイラってした。
だって「可愛い」だよ?!
もう散々です……