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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第5章 悪いのは……


俊side

「兄ちゃん!ねぇ!起きてよ!」

救急車に運ばれる兄ちゃんに付いていくことにした。
救急車の中で兄ちゃんは意識を無くしていた。

「もう少しで病院に着くから!」

病院に着くと、兄ちゃんはすぐに手術室に運ばれた。
僕も付いて行こうと思ったけど看護婦さんに止められた。
仕方なく外のベンチで待っていることにした。

その間、警察の人が2人来た。

「君が弟さんかな?」

「はい……俊です。」

「聞きたい事が幾つかあるんだけど大丈夫かな?」

「はい。」

「まず、歳はいくつかな?」

「11です。」

「今日の男とは知り合いだったりしたのかな?」

「いいえ。初めて見ました。」

「うーん……何で君を狙ったのか分かるかい?」

「……分かりません……」

声が震えた。
あの時の恐怖を思い出してしまった。
どうしよ……目頭が熱くなってきた。

「先輩……もうこれ以上は……」

「最後に教えてくれないか?男の様子はどんな感じだったかな?」

「え……」

しっかりと覚えていた。

顔色が悪くて目が変な感じだった。
上手く喋れてなかった。

そして、言われた。

「『一緒に来てよ』って……」

警察の人はため息をついた。

「ありがとうね。君のおかげで助かったよ。」

「僕のおかげ?」

「うん、実はね、男は記憶が無いって言ってるんだ。嘘かもしれないが分からないから君に聞いてみようと。ありがとう。」

「いいえ、良かったです。」
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