第3章 嫉妬
結城side
午前の授業が終わり、昼休みになった。
「結城!行こぜ!」
「あぁ。」
友人が俺を屋上に誘って来た。
いつもはコイツと屋上で食事を取っている。
名前は和也。
同じ陸上部だ。
「お前、麻梨愛に告白したのか?(笑)」
「はぁ?なわけねぇだろ。」
おそらく今朝の騒ぎを見ていたのだろう。
「だよな。けどよ、お前も変わってるよな……」
「何がだ?」
「……麻梨愛から告白されたのに断るとか……アイツ、学校一可愛いし、お嬢様だろ?男からしたら意味不明だよ。」
俺には麻梨愛の良さが分からない。
俺は一目見てだいたいソイツがどういう人間か分かる。
幼い頃からずっとそうだ。
表面では一応笑顔で接するようにはしている。
そのおかげか人がよく寄ってくる。
「興味ねぇよ。」
「……俊くん?(笑)」
「なっ!お前っ!////」
和也には俊が好きだってことを言っている。
コイツは信用できるって思えたんだよな。
「ははっ!どうだ?最近?」
「あー……実はさ……」
俺は昨日の事を和也に話した。
途中、驚いた顔をしたが気にせず続けた。
「お前……すげぇな……」
「……引いた?」
「かなり(笑)」
「だよな……兄弟でとか……おかしいよな……」
俺は溜息をついて俯いた。
「けど、良かったじゃん!俊くんも好きだったんだろ?結城のこと!」
「う、うん……」
「それに、別にいいんじゃねぇか?弟の事が好きでも。まぁ!他の奴に知られたら幻滅されるだろうな(笑)」
「あ!お前、言うなよ!言ったら絶交だかんな!」
「分かってるって!絶てぇ言わねぇ!約束だ!」
「信じてかんな!」