第14章 僕のお兄ちゃん
結城side
はぁ……
付き合ってんのか……
まぁ、俊も幸せそうだったし……いいか……
けど、なんかしっくり来ねぇんだよな……
急に扉が開いた。
「兄ちゃん!!」
「俊!?うおっ!」
抱きしめられた。
「ちょっ、どうしたんだ!?お前和也と付き合ってんだろ?こんな事していいのかよ?」
「うん……大丈夫。」
マジかよ……
……コイツあったけぇな……
「兄ちゃん……大好き……大好き!」
「はぁ!?何言ってんだよ!」
意味わかんねぇ……
変に勘違いするだろ?!
「……はぁ、スッキリした……ごめんね、急に。」
「ほんとに急だな(汗)」
「何かモヤモヤしてたから……でも、もう大丈夫。」
「大好きってなんだよ……」
「そのままの意味だよ。」
んん?
「これで自分の中でしっかり終わらせることできたから。」
終わらせる?
「僕ね、何か引っかかてたんだ……和也さんと過ごしてきて何か気持ち悪いなって……たぶん、きっちりとこの恋を終わらせてなかったからかな。中途半端な気持ちでいたからさ。」
「……なるほど……な……」
なんとなく分かった気がする……
「うん……これからは『僕のお兄ちゃん』として……また楽しく過ごそう?」
「……フフ……分かってるよ(笑)」
俺はこいつの『お兄ちゃん』。
それ以上、それ以下でもない。
これで終わりにしよう……
辛くもなんともない。
だって、こいつの『お兄ちゃん』で入れるのは俺だけだ。
兄弟という特別な関係……
それで充分……