第14章 僕のお兄ちゃん
結城side
「あー……えーと……俺医者呼んで来る!」
「あ!ちょっと待て!!和也!!」
アイツ……逃げやがった……
俊は椅子の上に正座している。
目を合わせようとしない……
「あー、俊?そんなかしこまんなくていいから。」
「う、うん。」
「とりあえずさ……お前ほんとに俊でいいんだよな?」
「うん……」
「……今高校生か?てことは俺は……」
「……20歳だよ……4年も眠ってたんだよ……」
「4年もか……ごめんな……」
4年……そんなに眠ってたのか……
「……あー……えっと……犯人はどうなったんだ?」
「……懲役30年……」
人殺したのに30年か……
俺の問いかけに俊はただ俯いて答えるだけだった。
何か気まずい雰囲気が漂う。
兄弟で大喧嘩をした後みたいだ。
久しぶりに話すのもあるからだろう。
声変わりした俊はどうしても弟とは思えなかった。
俺の中での俊は小学生で止まっている。
「連れてきた。」
和也が帰ってきた。
後で二人の関係聞かないとな……