第14章 僕のお兄ちゃん
和也side
それからまた2年が経った。
俺たちはまだ付き合っている。
俊くんは俺と結城が通っていた高校に進学することになった。
制服は俺のおさがりだから少し大きい。
俺も20歳を過ぎ俊くんは16歳……
法的には犯罪だが、俺らは気にせずにいる。
「結城はどう?」
「まだ覚めない……」
結城のお見舞いに来ている。
俊くんはベッド横の椅子に座って俯いていた。
「兄ちゃん……ほんとに目覚めないのかな……」
俊くんは涙を流し始める。
「あの声も……笑顔も……手も……全部感じる事が出来ないのかな……」
俺は花の水を変える手を止め、俊くんに抱きついた。
少しでも落ち着くように。
「和也さん……」
「大丈夫だよ……それに俺がずっと傍に居てやるから。」
「うん……」
俺は涙でぐしゃぐしゃになった俊くんの顔の涙を指で拭き取り、唇を重ねた。
「……駄目……こんな所で……誰かに見られたら……」
「誰も見ないよ。ここ個室……」
俺は可愛い泣きべそかいた俊くんの顔に再びキスをした。
俊くんも諦めてそれを受け入れた。