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僕だけが知っているお兄ちゃん 【R18】

第14章 僕のお兄ちゃん


和也side

あれから俊くんはリハビリに励むようになった。
食事もまだ戻すがそれでも無理に詰め込んだ。

前よりも歩けるようになって少しずつ退院に近づいた。

たぶんあと一週間くらいで退院だろう。
結城はまだ目を覚まさない。
このままだと、俊くんの気持ちも落ち込むかもな。

俺の俊くんへの気持ちはまだ冷めていなかった。
だから毎日こうやって見舞いに来てるんだけど。
俊くんは気づかないだろうな。
というより、今は結城の事で頭がいっぱいか……

もう気持ちを伝えるのは諦めるべきか。

「和也さん?何か考え事ですか?」

「え、あーちょっとね。」

「珍しいですね(笑)」

「……そうかな?……俊くんはさ、結城が目覚めたら……どうするの?」

「どうするって……いつも通りの生活に戻りたいかな。」

「いつも通りって……」

「……兄弟仲良く過ごしたい。」

「……結城のこと……好きなんじゃないの?」

「好きですよ……でも、恋心は抱かないって決めたんで……兄弟でこういうのはおかしいから。」

「そうか……」

今なんか嬉しい思いが募った……
駄目だ……駄目だ……俺と俊くんはそういう関係にはなれねぇ。
諦めろ。
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