第14章 僕のお兄ちゃん
和也side
あれから俊くんはリハビリに励むようになった。
食事もまだ戻すがそれでも無理に詰め込んだ。
前よりも歩けるようになって少しずつ退院に近づいた。
たぶんあと一週間くらいで退院だろう。
結城はまだ目を覚まさない。
このままだと、俊くんの気持ちも落ち込むかもな。
俺の俊くんへの気持ちはまだ冷めていなかった。
だから毎日こうやって見舞いに来てるんだけど。
俊くんは気づかないだろうな。
というより、今は結城の事で頭がいっぱいか……
もう気持ちを伝えるのは諦めるべきか。
「和也さん?何か考え事ですか?」
「え、あーちょっとね。」
「珍しいですね(笑)」
「……そうかな?……俊くんはさ、結城が目覚めたら……どうするの?」
「どうするって……いつも通りの生活に戻りたいかな。」
「いつも通りって……」
「……兄弟仲良く過ごしたい。」
「……結城のこと……好きなんじゃないの?」
「好きですよ……でも、恋心は抱かないって決めたんで……兄弟でこういうのはおかしいから。」
「そうか……」
今なんか嬉しい思いが募った……
駄目だ……駄目だ……俺と俊くんはそういう関係にはなれねぇ。
諦めろ。