第14章 僕のお兄ちゃん
和也side
俊くんが目を覚まして3日がたった。
「俊くん、口開けて?」
口を開け、病院から出される食事を口に運ぶ。
「うっ……うぇぇぇ……」
「やっぱ駄目かな?」
「……ごめんなさい……」
あれから何も口にしない。
口に入れてもすぐに戻してしまう。
長い間しっかりしたもの食べて無かったからだろう……
体が拒否している。
「……俊くんは悪くないよ……頑張ろう?」
「……もう無理です……食べたくない……」
「駄目だよ……食べないと……」
「分かってます!それは……分かってるけど……体が……」
「……そうだ、気分転換にさ、ちょっと病院の中探検しよっか。ずっとここにいても息が詰まるだけだよ。」
俺は車椅子に俊くんを乗せ、屋上に向かった。
「……和也さんは何でそこまで僕を心配してくれるんですか?」
「うーん……結城に頼まれたからかな?(笑)まぁ、単純に俺がほっとけないのもあると思うけどね。」
「……兄ちゃんは……どうなったんですか?……教えてください……」
「……教えてもいいけど……俊くんはどんなこと聞いても平気?受け止められる?」
俊くんの目が一瞬不安な色になったが、期待した目に変わった。
「はい!」
「……分かった。結城ね、生きてるよ?まだ。」
「まだ?って……え……生きてる……」
「うん。けど……もしかしたら目を覚まさないかも……」
「え……嘘……」
俺はそのまま結城のいる部屋まで連れていった。