第14章 僕のお兄ちゃん
和也side
入院の間、少しでも暇にならないように近くの売店で俊くんに色々買って来た。
トランプに漫画……勉強したくなるかもしれねぇから勉強道具……その他にも……
「俊くん?ちょっと聞きたいんだけど……どんなことされたのかな?詳しく聞きたいんだ……犯人が口を開かないから君の証言が必要なんだよ……」
警察が俊くんの所に立って、聞き出していた。
俊くんは今にも泣きそうだった。
……警察はもっと考えられねぇのかよ……
「あの、もういいですか?」
「和也さん……」
「本人嫌がってるの分かんないんですか?もっと被害者の気持ちになってくださいよ。犯人の家からは色々見つかってんですから。殺人も事実なんだし。」
俺は俊くんに近づく。
「……これ以上、俊くんに関わらないでください。」
「あのね、君には関係無いんだよ。そもそも事実確認しないと……」
俺はイライラし胸ぐらを掴む。
「……帰ってください……これ以上大袈裟にしたくなかったら。」
周りは患者と看護師がこちらを見つめている。
警察は諦めて帰っていった。
言いすぎたか?
「あーごめん、俊くん……」
「い、いいえ……ありがとうございます……」
やっぱ元気がねぇな……無理もない……
あんな事があったんだ。
酷い目に合わされて……まだ小さいのにな……
「あの!……明くんは?どうなったんですか?」
本当の事を教えるべきだよな……
「明くんは……亡くなったよ……俊くんの事、ちゃんと結城に伝えた後……すぐに息を引き取った。」
「そ……んな……明くん……家族には?会えたんですか?」
「ううん、会う前に……天国に行ったよ。」
「……叶わなかったんだ……ごめん、ごめんね明くん……」
……小学生には厳しすぎる……こんな事……