第14章 僕のお兄ちゃん
俊side
俊……寝ちゃ駄目だ……
目開けろ……
頼む……開けてくれ……
兄ちゃんの声が聞こえた気がした。
兄ちゃん?
どこ?
辺りは真っ暗で何も見えない……
兄ちゃん……どこ……
母さんは?
和也さんは?
皆……どこにいるの?
会いたいよ……
『俊くん?言ったよね?帰りたいって言ったら殺すって……』
やだ……来ないで……いや……
――――――――――――
「ん……」
眩しい……真っ暗な所から白い光が指して目が覚めた。
「俊っ!よかった……目が覚めたのね……」
「母さん……」
隣には和也さんもいた。
「俊くん……」
「大丈夫?何で泣いてるの?怖い夢でも見た?」
和也さんは先生を呼びに行った。
兄ちゃんの姿が無い……
「……兄ちゃんは?」
「っ!結城は……」
何で黙るの?
なんで?
兄ちゃんはどこ?
僕は口元に付いている酸素マスクと手に付いている点滴の針を無理やり引き剥がし……ベッドから降りようとした。
「何やってるの?!駄目よ!」
「離して!!兄ちゃんは?!どこ!?」
僕の腕を掴む母さんを引き剥がそうと暴れる。