第14章 僕のお兄ちゃん
結城side
「俊……駄目だ……目開けろ……」
今にも寝てしまいそうだ……
このままだと凍え死ぬ。
何度も呼びかけたが、眠ってしまった。
くそっ……くそぉ!!
助け……呼ばねぇと……
携帯……
向こうの部屋にバッグごと置いてきてしまった。
何やってんだ……俺……
諦めかけた時、パトカーの音と共に聞き覚えのある声がした。
和也……?
「結城!!大丈夫か!」
「何で……お前がここに……」
「後ついてきたんだよ。心配だったから。この家の中に入ったら全然出てこなくなったし、不安になって警察呼んだんだ。やっぱもっと早く呼ぶべきだった……」
和也は俺を支え、外に出した。
「俊は……」
「警察の人が抱えてるよ。救急車ももうすぐ来るだろう。」
よかった……
足に力が入らず全体重が和也にかかる。
「うおっ!おい!しっかりしろ!」
「うん。」
その後すぐに救急車は来た。